パウル・クレー

「色彩と線の魔術師」と言われ、繊細で深淵な色と大胆かつ無駄のない線を巧みに操るその絵は驚くほど緻密でリズムに溢れています。


20世紀のスイスで生まれ、ドイツで活躍した画家です。
12月18日が誕生日です。画家として音楽家としても有名なクレーの作品を、今日は一緒に見ていこうと思います。

音楽教師の父と声楽家の母を持ち、音楽一家に生まれたクレー。自身も小さい頃から音楽に触れ、プロのバイオリニストとしても活躍していました。

右側に座る男性がクレー

音を描いた画家

そんな音楽に造詣が深いクレーの作品には音や音楽を描いた作品がたくさんあります。

芸術の本質は、見えるものをそのまま再現するのではなく、目に見えないものを見えるようにするものである。

パウル・クレー

彼が残した言葉にもある通り、音の響きを視覚化した「ポリフォニー絵画」と呼ぶ絵画を連作しています。

”ポリフォニー”とはバッハ以前の時代によく作曲された、複数声部のメロディーが重なって同時に響く音楽のこと。
音楽家が曲を楽譜として目に見える形で表現するように、プロのバイオリニストとしても活動していたクレーは、音楽を聞き感じた心の変化や感情を絵で表現しました。

「ポリフォニー」


「ポリフォニックに囲まれた白」

四角と長方形が並ぶこの絵ですが実は、青・赤・オレンジの3色の水彩絵の具しか使われていないそうです。水彩絵具を塗り重ねることによって色の違いが出るので、3色しか使っていなくても多様な色彩を表現しています。
音が重なり響き合うさまが、色の濃淡で再現されています。

「ポリフォニックに囲まれた白」

「赤のフーガ」

色彩の変化により時間の推移を表し、和音の響きを表現。音楽を追体験できるような作品。



音楽のようにそれぞれの楽器が奏でる音色が合わさることにより、ハーモニーが生まれる瞬間を描いているのだなと感じます。
私も音楽が好きで、バンド活動をしていたこともあり、音楽を表現している絵があると聞いてとても興味がわきました。クレーの絵は小さいふのコラボをきっかけに知れたので、これも素敵な出会いだなと思います。

Staff はる


小さいふ「バウシリーズ」