クアトロガッツの革の旅「栃木レザーができるまで LEATHER TRIP IN TOCHIGI LEATHER」(14)

ポリッシング、磨いて艶を出すなど最終的な仕上げを行います。
革の個性、風合いが決まります。

鞣しを終えた革は別の建物に移動します。この建物はトヨタと同じ昭和12年の創業となる栃木レザーの建物の中では新しいもので、地上5階ほどもあり一面革を乾燥させるためのフロアがあったり、仕上げのフロアがあったりと乾燥から仕上げまでを行っています。

「最終的な仕上げに何をしたらいいのか。
樹脂か。色か。油か。
顔料などを組み合わせて色の調整をします。
スプレー、アイロンをしたり、油を塗ったり、光沢を与えるグレージングなどの仕上げをしていきます。これは染料を塗っています。」

外見の美しさを色とツヤで調整する工程です。
塗膜で革の耐久性を増すこともできます。

仕上げの工程では女性の姿が。革の表面を丁寧に拭いていたのが印象的で、女性らしい細やかさが生きます。

「 鞣しの工程が力仕事であったのに対して、ここでは女性の方が革にツヤを与えるアイロンを担当していたり、吹き付け塗装をしています。アイロンで革を平らにします。
ツヤを出したいときは樹脂膜やラッカー膜があります。
ツヤが上がるようにアイロニングといって下から上に通していきます。」

上質な革の表情を活かすために透明感のある染料で仕上げた革。

手で色をのせることで自然な風合いを出すタンポナートという染色方法も。

このガラスの棒を機械のアームの先に固定して磨きます。磨いた後は革に光沢が生まれます

「グレージングとは革の銀面の凹凸を磨き、表面に光沢を出す加工です。
この加工は諸説ありますが、自転車のサドル部分が革だった頃、人が乗ることによる摩擦で自然に光沢がでたところから生まれました。」

栃木レザーのスタッフの方はどんなふうに革が使われることを望んでいるのでしょうか?

「革は天然素材で生きています。だから呼吸もしています。
よくビニールに入れたり、使わずにタンスの中にしまったりされている方もいます。
革は高級素材だけどガンガン使ってくれると嬉しい。」栃木レザー タカダさん(写真上)

タカダベルトという高田さんの名を冠した革もあります。革は使ってみてその良さを生かすことができ、生産される方々の思いに答えることができるんですね。もったいない気持ちもありますが、大切にガシガシ使っていきましょう。

上半分がグレージングされた部分

クアトロガッツスタッフの感想

一番印象に残っているのは最後のガラスで革を磨いている風景。
大きい革を小さいガラスで磨いているのを見て、時間と手間がかかっていることが分かりました。
思った以上に工程が多くて、それを実際に感覚で感じることができ貴重な経験になりました。

クアトロガッツの革の旅
「栃木レザーができるまでLEATHER TRIP IN TOCHIGI LEATHER」