甥っ子が写真用にどんぐりを拾ってきてくれました。

栃木レザーの茶系の小さいふで合わせてみました。

栃木レザーの革は鞣した時は同じですが仕上げが様々違います。

栃木レザーには世界でも有数の規模のピット槽があります。ピット槽とは革の鞣すために漬け込むためのプールのようなものです。

100%植物性のミモザの渋成分であるタンニンを溶かした赤茶色の液体がピット槽に張られていて、その数は150もあり、濃度を徐々に変えながら一ヶ月間かけて漬け込むことで鞣していきます。

革の鞣しでは太鼓と呼ばれるドラムに入れて回転させて鞣す方法がよく用いられますが、太鼓を用いずにタンニンの槽にじっくり時間をかけ漬け込んで鞣す「ピット鞣し」をすることでしっかりした繊維のあるコシのある革に仕上がります。そのコシが栃木レザーの特徴でもあります。

(上写真左)の革「素”su”シリーズ」は鞣し終えたそのままの素揚げに一番近いヌメ革で、使いやすいように適度に繊維がほぐされています。この革は2020年東京オリンピックの体操競技の「あん馬」の公式体操器具に採用されています。

(上写真真ん中)の革「オイルヌメシリーズ」は染色後に、革を柔軟にしてシボをつけるため、木の太鼓の中で回転させて繊維をほぐしたあとに、しなやかさと耐久性を生み出すためにしっとりとオイルで馴染ませた革です。

一番右側は「定番シリーズ」鞣し終えたあとの堅いコシをのこしたまま染色して、上質な革の表情を活かすために透明感のある染料で仕上げた透明感と光沢のある革です。

いづれも植物性のタンニンだけで鞣したフルベジタブルタンニンの革でそれぞれ違った風合いのエイジングが楽しめます。

下のブラウンも「定番シリーズ」の革でプルアップと言ってオイルを多めに含んだオイルタンニンの革。重厚さがあります。ジーンズのパッチにも使われたりもします。

それぞれの革を楽しんでいただくことができます。

「定番シリーズ」