クアトロガッツでは栃木レザー社の牛ヌメ革(フルベジタブルタンニングレザー)を中心に、牛革・豚革・山羊革・羊革・エナメルなど様々な革を使って革製品をつくっています。
(ほとんどの製品は牛革です)
一言で「革財布」と言ってもその革によって手入れの方法は様々です。
このコラムではそれぞれの素材別に、お手入れの方法を書きたいと思います。
ヌメ革についてはこちらをご参照ください「ヌメ革の手入れ」。
牛革
全ての革の中で最もポピュラーで「レザー・革」と言えば牛革のことといっても過言ではありません。
牛の性別・年齢・生育状況などによって厚み・固さ・繊維の密度などが違い、キップ・カーフ・ステアなど呼び名それぞれが変わり特性ごとに最も適した製品に加工されます。
また、その頑丈さを活かして表面を他のレザーや別の素材のように加工した革も多いです。
牛革の革財布の手入れ
あまり神経質になりすぎないように、ぜひともガシガシ使ってあなたの体の一部にしてあげてください。
日々のお手入れは、使わなくなったコットン素材のTシャツの切れ端・メガネ拭き・ハンカチなどの乾いた柔らかい布で乾拭きしていただくだけで大丈夫です。
オイルケアは革が「少しパサついてきてるかな?」と感じた時、1〜2ヶ月に一度くらいでしょうか。
クアトロガッツではラナパーレザートリートメントを推奨しています。
いろいろなレザー用オイル、それぞれに特徴がありますが、ラナパーの長所はなんといっても手軽さと使用範囲の広さ!
「汚れ落とし」「保護、ツヤだし」「撥水効果」「カビを生えにくくする効果」を持つ上に革製品以外にも様々なモノに使用できるんです。
(シャネル等の高級ブランド品の素材は色落ちすることがあります。)
付属のスポンジに少量(塗ったあとにベトつかない程度)のラナパーを取り、表面に薄くのばしてください。
拭き取る必要はありません、革に染み込み自然な光沢と活力を与え、雨の日の前に使用すると撥水効果が得られます。
エナメル
エナメルレザーは革の表面にエナメル(ウレタン樹脂など)を何度も重ねて塗ることで独特の光沢を出し、汚れがつきづらく、比較的水にも強い革です。
他の革のようなエイジングはしませんが、独特の光沢と上質な風合いで人気の高い革です。
エナメルの革財布の手入れ
エナメル樹脂で表面を加工された革は、表面にラナパーを塗ってお手入れすることでラナパーに含まれている蝋成分、油分の効果で艶出しと、ひび割れを防ぐことができます。
【1】全体に薄く塗ります。
【2】エナメルがくもるので、かたく絞った布で拭き取る
【3】乾いた柔らかい布で力を入れず磨き仕上げると艶が出てきます。
以上を月一回程度お手入れしていただければよりきれいにお使いいただけます。
山羊革
山羊革はまれにクアトロガッツでも素材が入った時には限定販売しております。見た目では牛革と判別しづらいですが、滑らかで柔らかくて強い革質を持ち、牛革よりも薄くても強度を保てるためにお財布や鞄の他にレザージャケットや高級手袋などにも使用されています。
年齢によりゴートスキン・キッドスキンと呼び名が変わり、キメの細かさと柔らかさ・頑丈さが違います。
山羊革の革財布の手入れ
基本的には牛革と同じで、普段は乾いた柔らかい布で乾拭きをしていただき、1〜2ヶ月に一度くらいのオイルケアで大丈夫です。
豚革
豚皮は世界でひとつだけシリーズでまれにですがございます。豚革(ビッグスキン)は牛革に比べ、軽くて通気性が良く摩擦に強いという特徴があります。
細かな三角形「∴」の穴が開いており、この穴のおかげで通気性が良く、お財布やバッグの他に手袋や靴の中敷きなど肌に直接触れるものにも多く使われています。
また、加工もしやすいのでいろいろな表情の豚革を楽しむことができます。
豚革の革財布の手入れ
基本的には牛革と同じですが、ピッグスエードなど毛羽立った革の場合はスエード用ブラシや馬毛ブラシによるブラッシングでお手入れをしてあげてください。
羊革
牛革に比べると強度が弱いですが、防寒性や柔らかさに優れています。
羊といえば暖かな毛で覆われたモコモコの羊を想像されると思いますが、実は大きく分けて2種類いて直毛で革が良質な「ヘアーシープ」とモコモコの巻毛で毛皮が良質な「ウールシープ」がいます。
年齢によってシープスキン・ラムスキンと呼び名が変わります。
羊革の革財布の手入れ
柔らかく乾いた布や馬毛ブラシでホコリを落とすようにブラッシングしてあげてください。
革質が柔らかく、繊細な革なのでラナパーなどの使用により色が濃くなったり 艶が落ちる場合があります。
ご使用の場合は目立たない所に少量塗ってみてください。