『わかる』ハシモト会長かく語りき

第16話 正直の価値「騙される人は、騙しにいってるんです」

世の中不思議なものですね。
表の人生を歩くと決めてから、金に困らんようになりました。
これまで何十億か倒されたことはあるけど、欲がかかっている倒され方と、ちょっと違いますね。

よく、「騙された」と言う人がいますが、それは自分が騙しに行ったはずなんです。
でも、うまくいってないねんけど、努力している人を助けようと金貸して、結果的に戻ってこなかったら、騙されたことにはならないでしょう。

私は、欲かけた金は使いません。騙しに行ったことはひとつもないから、戻ってこなくても何とも思わないんです。
私みたいなのが、皆と仕事ができたら、こんな素晴らしいことないんと違うかな。

私は、自分に能力があると思ったことないし、「これは、オレがやった」っていう話も、ひとつもない。
言えないし、したこともない。
皆が寄って来てくれて、させてもろおてるんです。
それで帳消しや


この連載について

「革っちゅうもんはなぁ、、、。」本物の革とは、商売とは、人間とは?
クアトロガッツを始めた頃に革屋さんではじまった人生談義。
それがハシモト会長との出会い。

80歳を超え、戦後からの日本を生きてこられてきた中で培われたその稀有な人生哲学と大阪ならではの人情味あふれる人柄。
「そや、ここに紙があるやろ。俺らは今までこの紙の裏をやってきたんや。いっぺん表をやろうと思うんや。」
珠玉の言葉を噛み締めていただければと思います。

『 わかる。ハシモト会長かく語りき』