クアトロガッツのちょっと賢い革のお話 第17話

『道具を愛すること イチローのバット』

革職人ではじめに学ぶことは道具の手入れといいます。

それは道具と仕事は切り離せない関係にあるからなんですね。

だから道具の手入れを自分でできるということはとても大切なことになります。

毎日カタカタ動いてくれているミシンもまた大切な道具です。

先日、ミシン屋さんがメンテナンスにやって来てくれました。

何か調子が悪いと電話をすると飛んで来てくれます。

(森さんいつもありがとうございます!)

縫製担当の矢田さんが朝礼で道具についての話をしてくれました。

その中でイチローのバットについての話が印象に残りました。

革製品を創るのに様々な道具がありますが、野球選手のイチローにはバットが一番大切な道具ですね。

イチローは「このバットと結婚する」と同じ形のバットを使い続けていて、他人のバットには触れないそうです。それは違うバットの重さや感触を自分の手に残さないためだといいます。

試合前にはバットの湿気を飛ばして反発力を高めるためにフェンスにかけるなど管理の仕方も人とは違います。

試合中にはいつも打席の前からバットを触り膝に擦り付け、バットの感触を確かめる姿があります。だからバットの創りに少しでも失敗があればイチローは気づいてしまうといいます。

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[前人未到の年間200本安打を放ったバット]

また普段は試合中抗議をすることのないイチローが自分のバットを足で遊んだ審判に対して強く抗議したというエピソードもありました。

道具へのこだわりがやはり人一倍強くあるんですね。

身のまわりにある様々な道具の大切さ。

道具との向き合い方、心がけの大切さを改めて感じた話でした。

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