クアトロガッツの革の旅「栃木レザー LEATHER TRIP IN TOCHIGI LEATHER」(2)

革の歴史は人間が自然の中で、その過酷さと戦ってきた歴史です。

氷河で発見された5000年前のミイラ「アイスマン」は保温性が高く長持ちする革の衣服を着ていました。
石器時代の人々は毛皮の革をかぶって狩りをしていたとされ、ネアンデルタール人は革のテントを作ることで氷河期のツンドラの中でも暮らすことができたといいます。

寒冷地のイヌイットやエスキモーは獣の皮を剥いで作った毛皮製の衣服や靴で寒さをしのぎ、革のテントや船を作りました。
革を鞣す技術は寒冷な地域から発展していったと考えられ、ロシア、カナダ、北欧からも鞣し用の原始的な器具が見つかっています。
人々の生活の道具として革は必需品でした。

人類の歴史で一番長いとされるのが縄文時代です。
時代は変わり現代となっても、私たちは自然のサイクルと共に生きていることに変わりはなく、長い年月を経ながら今も革づくりは続いています。そして多くの人に深く愛されているのです。

革は生命です。

今も昔も革は食肉の副産物で、革を取るために動物を育てるということはありません。牧場を経由して食肉で残った皮を捨てずに、その生命の証、痕跡を革として加工して私たちの暮らしに生かされています。その過程が鞣すということであり、タンナーによって皮は革に生まれ変わります。

革を素材とする仕事をする私たちは、自然や動物、革に関わる人への感謝の思いを忘れないようにと日々思っています。革のぬくもりは生命のぬくもりです。

限りある天然資源である革。昨今は経済発展を続ける国々において革の需要が増えることで、その価値は年々上がっている状況です。
その生命を無駄にせず、使うことが革を素材とする私たち職人の務めです。

実際に革を鞣して作っているタンナーの様子を知ることでより、より革の大切さを感じることができればと思います。思えば私たちクアトロガッツの仲間、ユーザーの皆さんとの出会いを結びつける大きな役割をしてくれているのもこの革なのです。

ご紹介します革の旅。苦手な方もいるかと思いますのでご注意くださいませ。

栃木レザー社にて


栃木レザー社にて

クアトロガッツの革の旅
「栃木レザーができるまでLEATHER TRIP IN TOCHIGI LEATHER」